昨今、DXという言葉を聞いたり、文字を目にすることが増えてきました。
世間的に注目度の高い言葉ですが、実はその意味をはっきりと理解できていなかったり、どのようにビジネスの現場で活用すればいいのかわからない方も多いではないかと思います。
今回は、そんなDXの意味や目的から、導入方法まで徹底的に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
DXは「デジタルトランスフォーメーション」と読み、直訳すると「デジタル変化」ではありますが、デジタルが変化するわけではありません。
データ、デジタル技術を活用することによって大きな変化、つまり抜本的な改革を組織や境に対して起こすという意味で使われます。
IT化は、単にITやデジタルの技術を導入することや、それによる部分的な効率化が目的ですが、DXはビジネスモデルや風土など、まさに抜本的な改革のための取り組みそのものであり、目的と規模間に大きな違いがあります。
DXと関連する言葉に、デジタイゼーションとデジタライゼーションがありますが、その定義と関連性についても解説します。
デジタイゼーションとは、DXの直訳である「デジタル変化」そのものであり、ビジネスのアナログな部分をデジタルに変換することを言います。
一方、デジタライゼーションは、デジタイゼーションによってデジタル化させたものを活用し、新しい行動様式、事業価値などを生み出すことです。
このデジタイゼーションとデジタライゼーションの一連の流れや、それを企業全体で大々的かつ抜本的におこなうのが、DXになります。
では、DXはどのような目的でおこなわれるのでしょうか。
導入する企業や組織の視点と、社会の視点から解説していきます。
“強いものではなく、変化に対応できるものが生き残る”というのは有名な言葉ですが、DXによって強さではなく変化への対応を求めるという目的があります。
時代の流れがどんどん早くなっていっていると言われる中で、デジタル技術を活用することで、その流れに柔軟に対応できる体制、組織をつくることができます。
生産性とは、インプットとアウトプットの比率であり、インプットをより少なく、アウトプットをより大きくすることで、生産性が向上したということになります。
インプットとは、人件費などのコストや原価、設備投資などであり、アウトプットとは成果であり、売上などに数字として表れます。
DXによって無駄なコストや投資を抑え、より効率的に売上を上げることができれば、生産性が向上しより利益の上がりやすい、強い体質の組織になります。
DXによって、顧客へ利便性や新たな付加価値を与えたり、継続的に利用してもらう仕組みを構築したり、他社との差別化をはかる、もしくは自社独自の強みを構築することで、市場での競争優位性を確保することができます。
また、DXによる効率化によって、人が働きやすい環境や待遇を整えることにより、人材確保の面でも競争優位性を確保することができます。
もともとDXの概念は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「進化し続けるテクノロジーが生活をより良くしていく」と提唱したと言われています。
DXを導入する企業や組織が増えれば、それだけ世の中の生活はより良く、より便利になるため、社会として求められていることだと言えます。
2018年に経済産業省がDXを実現する上での課題や対応策などをまとめた、「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」という報告書によると、DXうまく実現できない場合、2025年以降に最大年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると危惧されています。
その考えられる原因は、古い基幹システムから移行できないことや、IT人材の不足などがありますが、DXが進まないことによって競争優位性を失わないことが、日本社会にとっての課題であり、DXを推し進める大きな目的になっています。
続いて、DXをどのように組織に取り入れるか、その際のポイントなども合わせて解説していきます。
前述した通り、DXはビジネスモデルや風土などを抜本的に変えるという領域であるため、経営判断によっておこなわれるべきことです。
経営戦略、経営方針に大きく影響するというよりは、そのものであると言えるので、コミットメントを得て取り組みます。
推進チームを立ち上げ、尺度となる指標や予算を設定するようにしましょう。
IT人材は今でも慢性的に不足しているため、社内に専属の担当者がいることは、特に中小企業であれば珍しいことです。
社内にそのような人材がいてチームメンバーになることが望ましいですが、難しい場合は外部の専門家などに頼るようにしましょう。
チームメンバーだけに推進意欲があっても、実際に活用する現場が受け入れ態勢になっていなければ、推進は難しくなります。
経営層から全社的に働きかけてもらい、全社的なプロジェクトとして推進できるようにしましょう。
前述したように、DXはただのIT化ではありません。
何のデジタル技術を、どの部分に導入すれば、より根本的な改善や変化を生むことができるのか、現状分析から把握することが重要です。
その際に課題として表出し、足かせになるのが、昔からの既存のシステムです。
多くの従業員にとっては使い慣れたシステムであり、新しいシステムになれる間は逆に不具合も起きる可能性もあります。
そういった懸念から、見直すことが難しくなりがちなポイントになるので、新しいシステムに変えることによるメリットを整理し、スムーズに導入できるようにマニュアルを整備するなど、懸念事項を解決していくようにしましょう。
ある部門や特定の仕事だけにフォーカスしてデジタル技術の活用を考えてしまうと、その部分はよくなっても、まわりの部門や仕事には逆に負担がかかる可能性がありますし、そもそもそのようなIT化はDXではありません。
全体として、どのように変革して良くなるのか、という視点を常に持ちながら推進するように注意が必要です。
まず、現状分析で見つかった根本的な変革ポイントをデジタル化します。
デジタイゼーションによって新しい価値を見つけ、新しい行動様式に移行するなどがされ、またそれに合わせて会社全体をデジタル化していくという流れでDXを推進していきます。
最後に、DXを推進するために活用するツールやテクノロジーを紹介します。
これらを活用することで、DXを推進していくことができます。
DXについて、明確に理解していただけたのではないでしょうか。
まだ敷居が高いように思えてしまうかもしれませんが、記事内で解説させていただいた通り、導入しないことによる経済損失は多大なものがあります。
そういったネガティブな動機もありますが、DXによって我々の生活も豊かになり、ビジネスにおいても生産性が向上するなどによって、より働きやすく、働きがいのある組織に変革していける可能性も秘めています。
ぜひ、前向きにDXの推進に取り組んでいっていただきたいと思います。
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