B2Bビジネスにおいて、ウェブサイトからの問い合わせや資料請求といったインバウンドリード(見込み顧客)への対応スピードは、その後の成果を大きく左右する重要な要素です。実際、問い合わせから5分以内にアプローチできれば商談化率は8倍に向上する一方で、5分を超えると顧客との接続率は8分の1にまで低下するという調査結果もあります。
しかし、多くの企業では「複雑なリード割り当て基準」「夜間や休日の対応不可」「インサイドセールス部門の人員不足」といった課題から、この「5分以内」の対応が難しいのが現実です。
こうした課題を解決するために登場したのが、株式会社immedioが提供する「immedio(イメディオ)」です。immedioは、Webフォーム経由での問い合わせ直後に、電話などの人手を介さずにオンラインで商談日程の調整を自動化する「商談獲得自動化サービス」です。
この記事では、Web問い合わせからの商談獲得を最大化し、営業プロセス全体の効率化を実現するimmedioについて、その主要機能、導入メリット、具体的な使い方、連携機能、料金、そして実際の評判まで、徹底的に解説します。
immedioの最も重要な価値は、インバウンドリードへのアプローチ方法を根本から変革する点にあります。
従来は、ウェブサイトから問い合わせがあった後、インサイドセールス担当者が電話やメールでフォローアップを行い、ヒアリングや日程調整を進めるというプロセスが一般的でした。しかしこの方法では、担当者の対応可能時間や他の業務との兼ね合いで、どうしてもタイムラグが発生してしまいます。その間に、顧客の関心度が低下してしまう「機会損失」が大きな課題でした。
immedioは、このプロセスを自動化します。顧客がWebフォームを送信した直後、まさにその関心が最高潮に達している瞬間に、自動でオンライン商談の日程調整画面を表示。顧客は表示された候補日時から選ぶだけで、シームレスに商談予約を完了できます。
これにより、リードが「冷めてしまう」前の最もホットな状態、いわゆる「ゴールデンタイム」を確実に捉え、商談機会を最大化することが可能になります。
immedioは、単なる日程調整ツールではありません。インバウンドリードからの商談獲得を最大化し、営業活動全体の効率を高めるための、以下のような多彩な機能を備えています。
immedioの最も基本的な機能が、既存のWebフォーム(問い合わせ、デモ依頼、資料請求など)と連携し、コンバージョン(CV)直後に自動で商談日程調整を行う仕組みです。
仕組み:
このスムーズな体験は、顧客の手間を最小限に抑え、問い合わせ直後の高い関心を逃しません。時間経過による興味の喪失リスクを最小化し、従来対応が難しかった夜間や土日祝日といった営業時間外の問い合わせに対しても、自動で商談を設定することが可能になります。結果として、リード獲得から商談化までの時間を劇的に短縮し、機会損失を防ぎます。
獲得したリードを適切な営業担当者に迅速に割り当てることも、商談化率を高める上で極めて重要です。immedioは、「フローチャートルーター」と呼ばれるノーコード(プログラミング不要)のワークフロービルダーを提供しており、これを用いて複雑なリード割り当てルールを柔軟に設定できます。
割り当て基準の例:
高度な設定例:
このインテリジェントなルーティング機能により、各リードに対して最も適切な担当者が自動的かつ即座に割り当てられ、手動での割り当て作業に伴う遅延やミスを排除します。特に、SalesforceなどのCRMデータを活用した高度なルーティングは、複雑な営業組織やアカウントベースドマーケティング(ABM)戦略を持つ企業にとって強力な武器となります。
immedioの機能は、最初のコンバージョン時点だけでなく、その後のリードナーチャリング(見込み顧客育成)プロセスにも貢献します。
これらの機能により、最初の問い合わせ時に商談予約に至らなかったリードや、検討段階が進んで再度情報収集を行っているリードに対しても、関心が高まった最適なタイミングで自動的にアプローチし、商談機会を創出します。これは、インサイドセールスが手動で行っていた追客活動の一部を自動化し、ナーチャリングプロセス全体の効率を高めるものです。株式会社hacomonoの事例では、このウェブ再訪者フォローアップ機能が、インサイドセールスの負担を軽減しつつホットな顧客を自動で商談化する上で非常に役立っていると評価されています。
インサイドセールス担当者がリードにアプローチする前に行う情報収集(リサーチ)は、質の高いコミュニケーションのために不可欠ですが、非常に時間のかかる作業です。immedioはこの課題に対し、AIを活用した自動リサーチ機能を提供しています。
仕組み:
これにより、たとえ顧客がimmedio経由で直接商談を予約しなかった場合でも、インサイドセールス担当者は、手動でフォローアップを行う際に、事前に基本的な企業情報や担当者の背景を把握した状態でアプローチを開始できます。架電前のリサーチ時間を大幅に削減し、より迅速で的確なコミュニケーションを可能にします。
施策の効果を測定し、改善につなげるための分析機能もimmedioの重要な要素です。immedioには、商談獲得状況を可視化する専用のダッシュボードが搭載されています。
分析可能な項目例:
これにより、単なるフォームのコンバージョン数(CVR)だけでなく、「実際に商談につながった数(商談化率)」という、よりビジネス成果に近い指標でパフォーマンスを評価できます。
さらに、A/Bテスト機能も備わっており、日程調整モーダルのデザイン、文言(CTA)、表示条件、提示する時間枠などを変更しながら、どちらがより高い商談化率を生むかを比較検証できます。これにより、データに基づいた継続的な改善活動が可能となり、商談獲得プロセスの最適化を支援します。
immedioの活用範囲は、Webフォーム経由のリードに限定されません。展示会やウェビナーのように、短時間で大量のリードが発生する場面での商談獲得にも応用可能です。
例えば、展示会ブースでOCR(光学文字認識)によってデータ化された名刺情報と、その場でタブレットなどを用いて入力されたアンケート情報をimmedioに連携。アンケートの回答内容(興味のある製品、課題感など)に基づいて、その場で適切な担当者とのオンライン商談を即座に設定する、といった活用が考えられます。
また、immedioを通じて獲得・処理されたリード情報や設定された商談情報は、SalesforceなどのCRMシステムに自動で連携されます。具体的には、Salesforce上にリードや取引先責任者と紐づいたToDo(活動履歴)が自動で作成されるため、情報の散逸を防ぎ、営業活動の記録を一元管理できます。他のCRMやMAツールともAPI連携によって柔軟なデータ連携が可能です。
immedioを導入することによる具体的なメリットは、多くの導入企業の事例やユーザーレビューによって裏付けられています。主なメリットをデータと共に解説します。
immedioの最大のメリットは、リードの関心が最も高い問い合わせ直後にアプローチすることで、商談化率を大幅に向上させる点です。「問い合わせから5分以内のアプローチが商談化率を8倍に高める」という原則を、immedioはシステムによって実現します。
具体的な成果例:
これらのデータは、immedioがリードの温度感を逃さずに捉え、従来の手動フォローアップでは発生しがちだった機会損失を最小化していることを明確に示しています。
営業担当者やインサイドセールス担当者の煩雑な業務を自動化し、大幅な工数削減を実現することも大きなメリットです。
全体として、immedioはインサイドセールス業務の工数を約70%削減するポテンシャルを持つとされています。これにより、営業担当者は、煩雑な事務作業から解放され、顧客との対話や提案活動といった、より価値の高いコア業務に集中できるようになります。
リードへの迅速な対応とスムーズな商談設定は、リードタイム(リード獲得から受注までの期間)の短縮にも繋がります。
具体的な成果例:
リードタイムの短縮は、単にプロセスが速くなるだけでなく、顧客の検討熱が高い状態を維持しやすくなるため、競合他社に対する優位性を確保し、受注確度の向上にも寄与する可能性があります。「最初にアプローチしたベンダーが競合案件の約50%を制する」というデータも、迅速な対応の重要性を示唆しています。
immedioはシステムが自動で対応するため、人間のように稼働時間に制約されません。これにより、営業時間外や休日に発生した問い合わせに対しても、即座に商談日程の調整を進めることが可能です。
実際に、営業時間外のリードへの対応効率が大幅に改善し、商談化率が200%近く改善したという事例も報告されています。これは、従来であれば翌営業日まで対応が遅れていたであろうリードを、関心が高いうちに確実に捉えられていることを意味します。マーケティング活動によって獲得した貴重なリードを、時間的な制約によって取りこぼすことなく、最大限に活用できるようになります。
immedioの価値は、多くの導入企業の具体的な成果によって裏付けられています。以下にいくつかの事例を要約します。
これらの多様な成功事例は、immedioが単なる理論上のツールではなく、実際のビジネス現場において、商談化率の向上、効率化、リードタイム短縮といった具体的な成果をもたらす強力なソリューションであることを示しています。
immedioの導入を検討する際のプロセスと、利用開始にあたっての初期設定について解説します。
導入の最初のステップは、immedioの公式ウェブサイトにあるお問い合わせフォームから連絡を取ることです。フォームでは、サービスに関する質問や見積もり依頼が可能です。また、サービスの具体的な動作を確認したい場合は、デモを依頼することもできます。 (興味深いことに、immedioのサイトでは、問い合わせフォーム送信後にimmedio自身の機能を使ってそのままデモの日程調整ができる体験を提供している場合があります。)
問い合わせ後、通常はimmedioの担当者との間で、具体的なニーズのヒアリング、機能説明、利用プランの提案、見積もりの提示といったプロセスが進みます。immedioの料金体系は公開されていないため、個別の見積もりが必要です。双方の合意が得られれば、契約手続きを行い、immedioのアカウントが発行されます。
アカウント発行後、実際にimmedioを利用開始するためには、いくつかの初期設定が必要です。
一部のユーザーからは、特にこの初期設定段階、とりわけ担当者割り当てルールやCRM連携の設定が複雑で、ハードルが高いと感じるという声も聞かれます。一方で、導入時のカスタマーサクセス(CS)担当者によるサポートが非常に丁寧で、スムーズに導入が進んだという評価もあります。immedioの持つ高度なカスタマイズ性を最大限に活用するためには、初期設定にある程度の工数がかかる可能性があることを認識し、必要に応じてimmedioのサポートを活用することが推奨されます。
初期設定完了後、immedioが実際にどのように動作するのか、基本的な利用フローを解説します。
前提として、初期設定で解説した通り、immedioのJavaScriptタグがウェブサイトの関連ページ(フォームページ、サンクスページなど)に正しく設置されている必要があります。このタグが、フォームの送信を検知し、immedioの機能を起動させます。
顧客がウェブサイト上のフォーム(例:問い合わせフォーム)に必要な情報を入力し、送信ボタンをクリックします。すると、通常は静的なサンクスページが表示されますが、immedioが導入されている場合、このページ上で日程調整モーダルが自動的に表示されます。
モーダルには、フォームで入力された氏名やメールアドレスが自動反映されていることが多く、顧客は再入力の手間が省けます。そして、初期設定で定義されたルールに基づき、割り当てられた担当者(またはグループ)の空き時間がカレンダー形式で表示されます。表示される時間は、担当者の実際の空き状況に加え、設定された稼働時間、移動時間や休憩時間を考慮したバッファ、予約可能な最短日時などの条件を反映したものになります。
顧客は、表示された候補日時の中から、自身の都合の良い日時をクリックして選択します。選択後、確認画面を経て日程を確定します。このプロセスは非常にシンプルで、数クリックで完了します。
顧客が日程を確定すると、immedioはバックグラウンドで複数の処理を自動的に実行します。
このように、immedioは単に日程を調整するだけでなく、その後の通知、カレンダー登録、CRMへの記録といった一連の付随業務まで自動化します。これにより、手作業による入力ミスや連絡漏れを防ぎ、担当者の管理業務の負担を大幅に軽減します。
immedioの基本的な使い方に加え、その機能をさらに活用することで、商談獲得の成果を最大化するための応用的な使い方を紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)ツールとimmedioを連携させることで、より高度なリードナーチャリング戦略を実行できます。
これにより、マーケティング活動からセールス活動への連携がよりシームレスになり、適切なタイミングで効果的に商談機会を創出できます。
一度ウェブサイトを訪れたものの、すぐにはコンバージョンに至らなかったリードに対するアプローチも、immedioで自動化・高度化できます。Cookie情報やMAツール連携を活用し、過去に接点のあったリードの再訪を検知。
さらに、単に再訪しただけでなく、価格ページ、導入事例、特定の製品機能ページなど、購買意欲の高まりを示す可能性のあるページを閲覧した場合に限定して、戦略的に日程調整のオファーを表示させます。これにより、ウェブサイトは単なる情報提供の場から、顧客の行動に応じてインテリジェントに反応し、商談機会を創出するダイナミックなプラットフォームへと進化します。
immedioとCRM(特にSalesforceやHubSpot)の連携は、インサイドセールス(IS)の業務効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
これらの連携機能により、immedioはIS担当者の日常業務の中心であるCRMと深く統合され、クリック数や画面遷移、手作業によるミスを劇的に削減します。
AIによる自動顧客リサーチ機能は、単に情報を提供するだけでなく、戦略的に活用することで、より質の高い営業活動に繋げられます。
これにより、たとえ手動でのアプローチが必要なリードに対しても、より個別最適化された、効果的なコミュニケーションを実現できます。
immedioのダッシュボードとA/Bテスト機能を活用し、継続的に商談獲得プロセスを改善していくことも重要です。
日程調整モーダルのデザイン、文言(CTA)、表示タイミング、提示する候補時間のパターン、担当者の割り当てルールなどを複数パターン試し、どちらがより高い商談化率をもたらすかをデータに基づいて比較検証します。株式会社Schooの事例では、モーダル内の文言に具体的な数値を入れるといった改善で、商談化率が大幅に向上したと報告されています。immedioを導入して終わりではなく、データに基づいたPDCAサイクルを回し続けることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
immedioの導入を検討する上で、料金体系は重要な判断材料となります。
現時点で、immedioの具体的な料金プランや価格は公開されていません。料金に関する情報を得るためには、immedioのウェブサイト等を通じて、直接問い合わせを行い、自社の利用状況やニーズに合わせた見積もりを取得する必要があります。
ただし、一部のユーザーレビューでは、「単価が異常に安い」「費用対効果が高い」といった肯定的な評価も見られます。これは、immedioが提供する価値に対して、価格設定がリーズナブルであると認識されている可能性を示唆しています。
SalesforceやMAツール、Web会議ツールなど、多くの外部ツールとの連携機能がimmedioの強みの一つですが、これらの連携に追加費用が発生するかどうかについても、公開情報からは判断できません。これも料金プランと同様に、直接immedioに確認する必要があります。
料金情報の非公開は、特に中堅・大企業向けのB2B SaaSにおいては珍しいことではありません。導入を検討する際は、早めに問い合わせを行い、自社に必要な機能構成での見積もりを取得することが重要です。
現代のB2Bマーケティングおよびセールス活動において、各種ツール間の連携は不可欠です。immedioも、主要な外部ツールとの連携機能を備えており、これにより単体での利用に留まらない、より広範な価値を提供します。
immedioが連携可能な主なツールカテゴリと具体例は以下の通りです。
これらの連携により、データのサイロ化を防ぎ、ワークフローを自動化し、顧客情報をリッチ化することが可能になります。
特にSalesforceとの連携機能は充実しており、高度な自動化を実現します。
Salesforce以外のツールとの連携も、immedioの活用範囲を広げます。
immedioは、B2B企業が直面するインバウンドリードへの対応速度と効率性の課題に対し、強力なソリューションを提供します。その核心的な価値は、ウェブサイトからの問い合わせという顧客の関心が最も高い瞬間を捉え、自動化されたプロセスを通じて即座に商談設定へと繋げる能力にあります。
本記事で解説したように、immedioの導入は、以下のような具体的なメリットをもたらします。
もし貴社が、 「ウェブサイトからのリードへの対応が遅れがちだ」 「インサイドセールスが日程調整業務に忙殺されている」 「獲得したリードからの商談化率に課題を感じている」 といった状況にあるならば、immedioは検討に値するソリューションです。
導入効果を最大化するためには、自社の営業プロセスやルールに合わせて初期設定を適切に行い、必要に応じてA/Bテストなどで継続的に改善を図ることが重要です。
より詳細な情報や、貴社の状況に合わせた具体的な活用方法については、immedioの公式ウェブサイトから問い合わせを行い、デモンストレーションを依頼することをお勧めします。immedioを活用することで、インバウンドマーケティングの投資対効果を高め、営業成果の飛躍的な向上を実現できる可能性があります。
immedioに関して、想定される質問とその回答をまとめました。
A: 一部のユーザーからは、初期設定、特に担当者の割り当てルールや外部ツール連携の設定が複雑で、ある程度の学習や工数が必要だったという声があります。しかし、immedioは導入時のカスタマーサクセスによるサポートを提供しており、そのサポートが非常に丁寧でスムーズに導入できたという評価も多くあります。結論として、設定にはある程度の複雑さが伴う可能性があるものの、提供されるサポートを活用することで乗り越えられると考えられます。
A: immedioは、業種を問わず、ウェブサイトからの問い合わせや資料請求といったインバウンドリード獲得に注力しているB2B企業全般に適しています。特に、以下のような課題を抱えている企業に有効です。
A: ITreviewでの評価は4.3(2024年5月時点)と、ユーザー満足度は総じて高いようです。
A: immedioの具体的な料金プランや価格は公開されていません。利用料金は、企業の規模や必要な機能、利用量などに応じて個別に見積もりされると考えられます。正確な情報を得るためには、immedioの公式ウェブサイトから直接問い合わせる必要があります。
A: はい、連携可能です。Salesforceとの連携機能が特に充実していますが、HubSpotとも連携できます。MAツールについては、Account Engagement (Pardot)との専用連携や、Marketo(Zapier経由)との連携が可能です。また、汎用的なAPIが提供されているため、他のMAシステムとも連携できる可能性があります。さらに、Zapier連携を利用することで、Zapierがサポートする非常に多くのアプリケーションとの接続が可能になります。
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