厚生労働省の「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」の資料によると、リモートワークの導入、実施状況ではダントツで情報通信業が占めています。
次いで教育、学習支援業、不動産、物品賃貸、卸業、小売業の順となっています。
反対に、最下位は医療・福祉でした。次いで鉱業、運輸業、郵便業が続きます。
すべての業種において企業規模が大きくなるにつれて、リモートワークの導入率が高くなることも明らかになっています。
また、職種別の統計も出されています。
リモートワークの対象者では事務職、営業職が圧倒的に占めていてなかでも事務職の在宅勤務、営業職のモバイル勤務がダントツです。
事務職と営業職の導入率が高いのには本業がデスクワークであることや事務作業や連絡・相談であることが要因になっています。
書類の作成やパソコン業務、電話やメールが事務職の主な仕事ですが、これらはパソコンと通信環境さえ整っていれば問題ありません。同様に、営業職も顧客との打ち合わせはテレビ電話などでできますし、会社への業務の進捗情報の報告もSNSなどを活用すれば働く場所に制限はなくなります。
さらに、リモートワークの対象条件として、正社員であることと特定の職種、職務を担う人材であることというのが多いです。
厚生労働省の『テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン』によると、リモートワークを導入した目的の上位三つがそれぞれ『自然災害・感染症流行時における事業継続性の確保』や『従業員の通勤負担への軽減』、『家庭生活を両立させる従業員への対応・離職防止』のため導入するに至りました。
その結果、想定以上の効果をもたらしたのが『従業員の通勤負担の軽減』と『人件費の削減』、『紙や印刷コストの削減』などでした。
リモートワークになることで通勤や帰宅ラッシュの渋滞や公共交通機関を利用しなくてすむのは、精神的にも身体的にも大きいようです。
また、それに伴う通勤手当、残業手当などの人件費やリモートの一環によるデジタル化でペーパーレスとなり、紙やプリンターを使用する機会も減ったことが要因としてあげられます。
反対に、導入以前のほうが良かったデータも出ていて『優秀な人材の確保・定着』や『定常的業務の効率・生産性』などは下回っています。
リモートワークが従業員に定着することによって、会社を問わずどこでも働けることが離職に繋がっているようです。
また、ICTなどのリテラシーが足りない従業員では、慣れないリモート作業で生産性が低下するようです。
最後にリモートワーク実装の方法やツールについてお伝えします。
リモートワークを導入するにあたり、ツールの種類と主なサービスについてお伝えします。
種類は主に以下の4つのツールがあります。
まず、情報共有でのツールは『チャットワーク』です。このツールはビジネスコミュニケーションに特化したものです。メリットとして無料(一部有料プランも有り)で使用できることやグループでのチャットが可能、操作が簡単でタスク機能やファイルもやり取りできます。また、ビデオ通話もできてモバイルにも対応しています。
特に、操作が簡単ということが大きく、これからはじめて導入を検討している企業や個人にはおすすめです。
次に、Web会議でのツールは『Zoom』です。他の同じサービスと比較しても接続の安全性が高いことや画質・音質も良く、同時接続人数も最大規模で普及しているという理由からこちらのツールを推奨します。
注意点としてアップデートをその都度おこなわないと不具合が起こりやすくなることだけ気をつけなければなりません。
「TimeRex(タイムレックス)」「 Jicoo(ジクー)」 「 biskett(ビスケット) 」「 スケコン」 「 eeasy」などの日程調整ツールを活用するとZoomでのWeb会議をより効率的に開催することができます。
勤怠管理でのツールは『ジョブカン』です。まず、打刻システムが従業員ごとに選択でき、ICカードや指静脈打刻など紐づけされるためミスや不正が減ります。それにより正しい給与を支払うことに繋がります。
また、そのデータが給与システムとの連携により作業効率が上がり、管理側の労力の削減になります。
導入するにあたり、従業員数が多い企業が向いています。
最後にリモートアクセスでのツールは『マジックコネクト』です。
そもそもリモートアクセスとは、遠隔地からネットワークを経由してコンピューターにアクセスすることです。社外から利用することも多いため情報が洩れる危険性もあり、セキュリティ対策を考えなければなりません。
こちらのツールは高いセキュリティと使いやすさが特徴です。多要素認証を用いて不正な接続を阻止し、ファイル転送禁止機能で車内のパソコンやサーバーからファイルを持ち出せなくしています。また、プログラムをインストールするだけでセットアップは完了するので既存の環境を変えずに導入でき、ユーザーとオフィスの1対1以外にも複数での同時接続も可能になります。
さて今回はリモートワークとはいったいどのようなもので、導入するとどのようなメリットやデメリットがあるのか。また、適した職種やその効率化と具体的に実装する方法についてお伝えしました。
ポイントは
・リモートワークとはICT(情報通信技術)を活用して時間や場所を有効に使い柔軟に働けること。
・メリットは生活と仕事を両立でき、ワークライフバランスの実現に繋がる。また、デメリットは仕事と私生活の切り分けが難しいので長時間労働に繋がり、給与が正確に反映されないなどがある。
・リモートワークに適した業務内容や職種では、事務職と営業職が適していて、書類の作成やパソコン業務、電話やメールのやりとりなどパソコンと通信環境が整っていることが重要。
・リモートワークを導入することにより、従業員の通勤負担への軽減や人件費、紙・印刷コストの削減などの効率化に繋がる。
・リモートワークを実装するにあたり、情報共有ツールにはチャットワーク、Web会議ツールにはZoom、勤怠管理ツールにはジョブカン、リモートアクセスツールにはマジックコネクトなどがある。
急速に普及してきているとはいえ、考察の結果から労働者や使用者、法的な観点からもまだまだ改善されなければならない点がいくつかわかりました。今後は、整備がさらに進み、様々な職種や業務内容でリモート化になり、すべての人が公平により良い生活を送れるような世の中になると良いでしょう。
リモートワークにおすすめの日程調整ツールもご紹介していますので、
ぜひご確認ください。
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