営業は足で稼ぐものという時代から、FAX・携帯・メール、更にはSNSにWeb会議と様々なツールを利用して営業活動は進化してきました。ITの活用もまたその一つです。
中でもCRMと呼ばれる顧客管理システムやSFAと呼ばれる営業支援システムは、顧客情報から案件情報、訪問・会議・会話履歴などの商談情報など様々な営業情報を集約し、チームや組織全体で効率的に営業を進める上で必須のツールです。
CRMとSFA両方の機能を持つのが、有名なSalesforce社のSalesforceです。企業サイズを問わず、全世界で15万社以上が利用されているツールを知り、また利用することで営業活動を効率化します。
Salesforceは、営業活動をサポートするクラウド型のSFA(営業支援)とCRM(顧客関係管理)が組み合わさったツールです。
Salesforceを導入することで、以下のようなメリットがあります。
個人事業主または小規模チームでの利用であれば、まず最初に「無料トライアル」でSalesforceを操作してみるところから始めましょう。
サイトのトップ画面からアカウントを作成します。「無料トライアル」を押します。
入力欄に名前や会社名、メールアドレス、国を入力します。
「トライアル開始のご案内を送りました」のメッセージがでると、登録したメールアドレスにメールが送られます。
アカウント確認、パスワードの登録を実施するとトライアル用の画面が表示されます。
ホーム画面の上部に機能一覧が表示されます。
表示されているメニューの内容は以下の通りです。
ビジネスに興味を示している潜在的な顧客情報を登録します。
例えば、Webサイトの問い合わせフォームやキャンペーンの申し込みフォームから入手した情報がリードとして登録されます。
リードの情報には、名前やメールアドレス、会社名、業種、興味関心などが含まれます。
商品やサービスを提供する顧客企業を登録します。
取引先の情報には、企業名や住所、電話番号、担当者などが含まれます。
取引先に対して、商品やサービスを提供する機会となるビジネスチャンスを登録します。
例えば、ある企業と商談を進めて、商品やサービスの提供が見込まれる場合に、その商談情報を登録します。
商談の情報には、商談のステージ(進捗状況)、商品やサービスの種類、見込み金額などが含まれます。
商品やサービスの価格見積りを管理します。
例えば、商談の進行状況に応じて複数回見積もりを提示した場合に、経緯を追跡するために使用されます。
見積の情報には、製品やサービスの詳細、数量、価格、割引、納期などの情報が含まれます。
マーケティングキャンペーンを管理します。
キャンペーンを管理することで、リードの獲得や商談の促進などビジネス目標の達成に貢献することができます。
キャンペーンの情報には、キャンペーンの名前、目標、開始日、終了日、予算、結果などの情報が含まれます。
無料トライアルからSalesforceの基本的な使い方を確認してみましょう。
1. 画面上部のメニューバーにある「ダッシュボード」を押す
2. 閲覧したいダッシュボードを押す
表示されたダッシュボードは、重要なビジネス情報を視覚化して1つの画面にまとめることができる機能です。
情報を一覧できるため、営業やマーケティング、顧客サポートなどのチームで活用できます。また課題の早期発見や改善につなげることも可能です。
1. 画面上部のメニューバーにある「タスク」または「カレンダー」を押す
2. 画面右上の「新規行動」を押す
3. 必要な項目にタスクまたは予定情報を入力する
4. 入力が完了したら「保存」を押す
1. 画面上部のメニューバーにある「取引先」を押す
2. 取引先一覧画面で、確認したい取引先を押す
3. 画面左に表示される活動履歴を確認する
活動履歴からタスク確認や次のアクションの検討など、自分やチームの営業活動を逐次フォローすることができます。
1. 画面上部のメニューバーにある「レポート」を押す
2. 「新規レポート」を押す
3. レポートの種類を選択して「レポートを開始」を押す
4. レポートの作成条件を入力する
5. 「実行」をクリックしてレポートを作成する
6. 必要に応じてレポートを編集して保存する
レポートはビジネスの成果を分析し、可視化するための機能です。
Salesforceに登録したデータから簡単にカスタムレポートを作成し、ビジネス上の重要な洞察を得ることができます。
レポートには、表形式、サマリー形式、マトリックス形式、グラフ形式などのさまざまなタイプがあります。
Salesforceでは、ビジネスプロセスを自動化することができます。
例えば、新規リードが作成された際に、担当者にメール通知を送信するといった自動化が可能です。
ワークフロールールを作成することで、自動的にアクションを実行することができます。また、プロセスビルダーを使用することで、より高度な自動化を設定することができます。
Salesforceでは、顧客の情報を複数の部署で共有することができます。
例えば、営業部門が顧客からの問い合わせを受けた場合、サポート部門にその情報を共有することができます。
情報共有を実現するために、Salesforceではケースオブジェクトを提供しています。ケースオブジェクトを使用することで、複数の部署で顧客の情報を共有することができます。
Salesforceでは、顧客のデータから分析を行うことができます。
例えば、顧客の傾向や市場のトレンドを分析し、営業戦略を改善することができます。
Salesforceには、レポートやダッシュボードの機能があります。レポートを作成することで、顧客のデータを分析することができます。
また、ダッシュボードを作成することで、データを視覚化することができます。これにより、データを直感的に理解しやすくなります。
Salesforceの無料版は「Salesforce Essentials」と呼ばれています。この無料版では、最大2人のユーザーまでしか追加できず、ユーザー数に制限があります。
Salesforce Essentialsでは、カスタムオブジェクトやカスタムレポート、カスタムダッシュボードを作成することができません。そのため、無料版は中小企業や個人事業主などの小規模なビジネスに向いています。
一方、有料版ではユーザー数の制限がなくなり、大規模な企業でも利用することができます。Salesforceの有料版には、様々なプランがあり、それぞれ異なる機能や価格設定がありますが、基本的には以下のような機能が含まれます。
以上が、Salesforceの無料版と有料版の主な違いになります。
Salesforce Authenticatorは、Salesforceが提供する2要素認証アプリです。ユーザーがログインする際に、パスワードに加えて、スマートフォンなどのデバイスで生成されるワンタイムパスワード(OTP)を入力することで、より高いセキュリティを実現することができます。
このアプリは無料でダウンロードして利用することができます。利用するには、Salesforceアカウントにログインし、セキュリティ設定から2要素認証を有効にする必要があります。
Salesforce Authenticatorは、以下のような特徴を持っています。
以上のように、Salesforce Authenticatorは、高いセキュリティと簡単な設定、複数デバイスのサポート、他のアプリケーションとの連携などの特徴を持っています。
Salesforce Marketing Cloudは、Salesforceが提供するクラウドベースのマーケティングプラットフォームです。SalesforceのSales Cloud、Service Cloud、Commerce Cloudと同様、Salesforceのエコシステムの一部として機能しています。
Salesforce Marketing Cloudは、以下のような機能を提供しています。
以上のように、Salesforce Marketing Cloudは、ターゲットに合わせたマーケティングを豊富な顧客データと複数のチャネルを統合管理することで実現するツールです。
Slackは、ビジネス向けのコミュニケーションツールです。
Salesforceのデータや通知をSlack上で確認できるようになっています。具体的には、SalesforceとSlackを連携することで、以下のような機能が利用可能となります。
SalesforceとSlackを連携することで、ビジネスの効率化やチームコラボレーションの強化につながります。また、Salesforceの機能をSlack上で利用できるため、作業の効率化も図ることができます。
Tableauは、ビジネス向けのデータ可視化ツールです。
SalesforceのデータをTableau上で可視化することができるため、ビジネスの意思決定をより迅速かつ正確に行うことができます。
具体的には、以下のような機能が利用可能となります。
SalesforceとTableauを連携することで、Salesforceから取得したデータをビジュアル化することができます。ビジュアル化されたデータを通してビジネスのトレンドや問題点を素早く把握することができ、より迅速かつ正確な意思決定を行うことができます。
Salesforceと連携できるZapierは、異なるアプリケーション間で自動化を可能にするツールです。Salesforceのデータを自動的に転送したり、Salesforceからのトリガーで他のアプリケーションを実行することができます。
Zapierは、Salesforceのさまざまな機能と連携できます。例えば、以下のような機能があります。
Zapierは、Salesforceと他のアプリケーションを自動的に連携することができるため、業務効率化を図ることができます。また、Zapierの視覚的なフロー設計により、複雑な自動化を手軽に実現することができます。
HubSpotは、営業活動の自動化やリードと顧客の管理、商談の追跡などが可能なクラウドベースのCRM/SFAツールです。中小企業向けに特化しており、直感的なUIや使いやすい機能が魅力的です。
また、販売管理、顧客サポート、マーケティングオートメーションの機能も備えており、幅広い業務効率化に対応できます。
Zoho CRMは、Zohoが提供するクラウドベースのCRM/SFAツールです。営業活動に必要な機能を備えており、リードと顧客の管理、商談の追跡、レポート作成などが可能です。
また、Zoho CRMは100以上の外部ツールと連携しており、業務効率の向上を実現しています。
Microsoft Dynamics 365 Salesは、Microsoftが提供するクラウドベースのCRM/SFAツールです。付属するSales Hubは営業活動に必要な機能を備えており、セールスプロセスの自動化、リードと顧客の管理、商談の追跡などが可能です。
また、OutlookやExcelなどのMicrosoft製品との連携が強みの一つです。
Salesforceのカスタマイズ機能は非常に高いレベルで利用できます。画面のレイアウトやフィールドの追加、ビジネスプロセスの設定など、様々な部分でカスタマイズが可能です。
カスタマイズにはプログラミングの知識が必要な場合もありますが、Salesforceにはそれを補完するツールやサポートも用意されています。
Salesforceは、顧客関係管理に特化したCRMツールであり、多くの業種に対応できます。
他のCRMツールに比べて、豊富なアドオンやアプリケーションの提供があり、カスタマイズ性が高いのが特徴です。
大量のデータを扱えるスケーラビリティが高く、企業の成長に合わせて柔軟に対応できます。
Salesforceは、多くの外部ツールと連携することができます。連携方法は、APIやプラグイン、アプリケーションなどがあります。
Salesforce AppExchangeというマーケットプレイスで、多くのアプリケーションが提供されています。これらのアプリケーションを利用することで、より高度な機能を実現できます。
Salesforceは顧客管理のCRMと営業支援(案件管理)のSFAを兼ね備えたツールであり、多くのメリットがあります。基本から応用的な使い方まで、幅広い機能を持っています。
ビジネスの規模や必要な機能に合わせて選ぶことで個人事業主から中小企業、大企業まで利用できます。
現代は、ビジネスの迅速化や効率化に加えて、在宅勤務や雇用スタイルの変化など環境の変化が激しい時代です。
営業情報を集約し、効率良く利用できるSalesforceを活用して、効率的な営業活動を目指してはいかがでしょうか。
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