では、1on1どのような目的でおこなわれるのでしょうか。
また、その効果についても解説していきます。
先ほど1on1は部下のためのミーティングだと書きましたが、部下のためであれば悩みを聞いたり、プライベートな話などもするべきだとされています。
Googleの社内プロジェクトによる研究によれば、効果的なチームであるためには、メンバーの心理的安全性が確保されている必要があるという結果が出ています。
部下の悩みやプライベートの話も受け入れることで、心理的安全性の確保につながる可能性が高まります。
部下が上司に話すというスタイルにすることで、上司が「壁打ち」のような役割になり、部下が自身のことを振り返ることができます。
失敗した体験、成功した体験を振り返る中で、これからの取り組むべき課題も明確になっていくという「経験学習サイクル」ができあがり、部下が自身で成長していく素地をつくることができます。
信頼関係は、「関係」という言葉である以上、お互いに信頼がなければできあがりません。
部下の悩み、プライベートなどを聞き、その人となりを知ることで、上司自身も部下への理解度が高まり、どのように関わりあっていけばいいかもわかっていきます。
どのように関わるかがわかれば、信頼度も増していきます。
会社や上司に信頼されている、悩みやプライベートなことも打ち明けられ心理的安全性が確保されている、自身が成長できているなど、これらが揃っている会社を辞めるという可能性は極めて低いと考えられます。
結果として、1on1を確実に実施していくことで、定着率の向上にもつながります。
次に、1on1をどのように実施すればいいのか、その具体的な方法を解説していきます。
まずは、1on1を実施する目的を部下に伝え、それを明確に共有するためにアジェンダを作成します。
オープンに話してもらうために、評価に影響しないことや、部下のための時間だということをまず伝えておきましょう。
また、部下自身の成長のための時間だということも伝えて、生産性のない無駄な時間ではないということも伝える必要があります。
目的を伝える際に、いつから始めるか、どのくらいの頻度でおこなうことを考えているかなども一緒に伝えて日程調整もおこないます。
日常業務に追われて優先度が下がってしまう可能性もあるため、「お互い空いた時間に」というようなあいまいな設定をせず、日程を明確に決めるようにしましょう。
実際のミーティングの際には、上司自身が話の内容を記録するようにします。
細かい議事録のようなものは必要ありませんが、部下が打ち明けた悩み、仕事を進める上で障害に感じていること、人となりがわかるプライベートなことなど、重要なポイントはメモをするようにします。
特に、悩みや仕事上の障害などは、そのことを忘れず把握し、解決の糸口になるようなサポートをすることで、部下の信頼も増すことになるため、重要なポイントになります。
1度で終わらせずに、継続的に1on1ミーティングをおこなうことが重要です。
間隔も一定であるほうが好ましいので、「〇曜日の〇時から30分」など、週次のスケジュールとしてフィックスしてもいいですし、毎回のミーティング実施後に日程を抑えるなどしてもいいでしょう。
とにかく、継続的に実施することが重要なので、抑えておきましょう。
1on1の具体的な方法をお伝えしましたが、より効果的なミーティングにするために、重要視するべきポイントを解説していきます。
1on1そのものが信頼関係を構築するという目的もありますが、1on1が効果的になるかどうかは、そもそも信頼関係があるかどうかも影響してきます。
では、信頼関係に自信がない場合はどのようにすればいいのでしょうか。
大きく2つの方法が考えられます。
部下に仕事上で成長してもらい、生産性を上げてもあることも重要な目的の一つではあるのですが、まずは信頼関係を構築することを優先するために、仕事の話にとらわれず、部下の話したいことを話してもらい、それを受け入れることから始めます。
そうすることで、「なんでも話していい」と感じられ、信頼を築いていくことができます。
そこから、徐々に仕事の成長につながる方向へ話の内容を誘導していくようにしましょう。
相手に心を開いてもらうには、まず自分が心を開く必要があります。
なので、自分のプライベートな話をするなど、相手に話してほしいことを話してみることから始めます。
注意が必要なのは、「自分の話しばかりしている」と思われないようにすることです。
自己開示がかえってマイナスの印象を与えてしまう可能性もあるので、あくまでも部下の話を引き出すための前段として話をしましょう。
次に大事なポイントは、積極的に「聴く」ということです。
あくまでも部下が主体のミーティングであるため、成長や信頼関係構築などの目的のために「伝える」ことに終始するのではなく、あくまでも部下の中から引き出すという意識でミーティングを実施しましょう。
傾聴すると言っても、部下からうまく話を切り出せないこともあるはずです。
その際は、話を引き出すための質問を積極的にしましょう。
質問の例を挙げると、
これらのことについて質問して、話を引き出していきます。
部下が日々の仕事の中で、間違った方向に進んでいるとわかったときは、ネガティブ内容でもしっかり伝えていくことが必要です。
自分自身を客観的に見ることができる、客観的に認識できることで、自分で課題を導き出し成長することができるので、そういった目を養ってもらうためにも耳が痛いことでも伝えていきましょう。
「部下の成長のため」という目的をお互い認識できていれば、そのような話でも受け入れて乗り越えられるはずです。
1on1について網羅的に解説していきました。
実施するメリットをしっかり感じていいただけたと思いますが、ここまですべて見ていただければわかる通り、1on1はかなり労力を使うことでもあります。
また、最初は特に部下の立場の方は、1on1の効果に懐疑的かもしれません。
それでも、多くの企業でその効果は実感されていますし、実施することで新たな発見も出てくるはずです。
慣れて効果が出てくるまで時間がかかるかもしれませんが、ぜひ実践していただきたいと思います。
こちらの記事で1on1に活用できる日程調整のツールを紹介していますので、ぜひご覧ください。
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