予約システムの検討に必要？APIによるサービス間の連携について解説

予約システムとは一般的に企業が提供するサービスをユーザがネットで予約する仕組みを言います。

店舗訪問や教室の予約、サービスの予約に物品や施設のレンタル予約、イベント予約と様々な業種業態のビジネスで予約業務が発生します。

店頭や電話では限界のある予約業務を、スマホやPCからネットで24時間受付できる仕組みが予約システムです。

Webサービスとして提供され多くの企業が利用しています。

予約システムを選ぶ時に重要となるのが、各ユーザーが利用する他のシステムとの連携です。

既にある顧客管理システムや在庫管理、設備管理システムと連携できれば、予約業務の効率化だけでなく、顧客満足度も高めることができます。

この連携にかかせないのが、異なるシステムやサービス間でデータのやり取りが可能となるAPIです。

これからAPIを利用できる予約システムを紹介します。

APIとは何か

API（Application Programming Interface）とは、別のシステムやサービス、更には個別のソフトウェア、アプリケーション同士が情報をやり取りするための機能（インターフェース）仕様（ルール）のことです。

異なる仕組みの間で、互いに通信しあいデータや機能を共有することで利便性を高めるための手段となります。

予約システムのAPI利用について

今や予約システムは、単なる予約業務だけでなく顧客管理や決済管理、スタッフ管理と一つのシステムで複数の業務をこなせるサービスもあります。データもCSV形式で取得できるのも一般的です。

ただし既存のシステムとの連携が必要な場合、CSV形式でデータをやり取りするのは手間と時間がかかります。そこでAPIが利用できることが重要となります。

一般的には、APIは最初から準備してあり、利用するユーザーには仕様通りに使ってもらう場合と、利用するユーザーからの要望により、ユーザー向けのAPIを準備する場合があります。

最初から準備されている場合は、仕様書に従いAPI接続を実行します。Salesforceなど他のWebサービスとの接続などは既に実績がある場合、安心して利用できます。

利用企業の要望に応じてAPIを準備する場合は、費用や時間がかかりますが社内システムからの接続など融通がきくため、効率的な連携が可能となります。

予約システムとAPIで連携できれば何ができるか

予約システムが他のサービスやシステム、アプリケーションとAPIで連携することで、さまざまなことが可能になります。

一つは顧客情報の同期です。既にあるCRMや顧客データベースと連携し、顧客情報を同期させることができます。

新たな予約や顧客情報の更新があった場合に、他のシステムでも同じ情報が利用可能になります。

決済処理や在庫管理との連携は、予約時点での決済完了や在庫の引き当てが可能となるため、ユーザーやその顧客にもメリットがあります。

スケジュール管理システムやタスク管理ツールと連携することで、スタッフのスケジュールやタスクの自動同期が可能となります。

予約の時点でスタッフの割り当てや指示が自動で行われます。

メール配信ツールやSMSサービスと連携することで、予約の確認やリマインダー、キャンセル待ちリストなどの通知が自動で送信されます。

API連携を活用することで、予約システムと他のシステムやサービス間での情報共有や連携がスムーズに行え、業務の効率化や顧客サービスの向上に貢献します。

予約システムでAPIの利用できるメリット

予約システムでAPIが利用できるメリットは以下の通りです。

1.拡張性と柔軟性

APIを備えた予約システムは、外部サービスやアプリケーションとの連携を可能にし、機能やサービスの拡張が容易です。新しい機能やサードパーティ製のツールを統合することができます。

2.顧客満足度の向上

APIを利用することで、顧客はよりスムーズで効率的な予約プロセスを体験できます。自動化された通知やリマインダー、カスタマイズされた体験を提供することができます。

3.効率化と自動化

APIを活用することで、手動で行っていたタスクの自動化が可能です。データの同期や移行、処理の自動化により、作業の効率化が図れます。

4.データ管理の容易さ

自社のシステムとの連携により、データを一元管理できます。例えば、顧客情報や予約情報を他のシステムと同期させることで、データの一貫性を確保できます。

5.拡大に向けての競争力の向上

APIを利用することで、新しい市場や顧客層にアプローチするための柔軟性が増します。また、競合他社よりも柔軟かつユーザーフレンドリーな機能を提供することで、競争力を高めることができます。

6.カスタマイズ性

APIを活用することで、顧客の個別ニーズに合わせてカスタマイズしたサービスを提供できます。これにより、顧客満足度を高めることができます。

APIの利用は、予約システムの機能や価値を大幅に向上させ、ビジネスに多くの利点をもたらします。

APIを利用できる予約システム　

APIを利用できる予約システムは以下のとおりです。

1.STORES 予約

累計導入社数15万以上のSTORESは多様な業種に対応したシステムであり、美容室や飲食店などの幅広い分野で利用されています。

また予約システムと顧客管理機能を統合し、ビジネスの効率化を図ることもできます。

ユーザーフレンドリーなUI/UXを特徴とし、使いやすさに重点をおいているシステムです。

APIの利用については、プランの中で ビジネスプラン以上を選択します。その上で開発会社に相談をしてユーザー専用のAPIの開発を依頼します。

2.ChoiceRESERVE（チョイスリザーブ）

顧客管理や予約機能を柔軟にカスタマイズでき、多様な業種に適応可能です。主に美容業界や医療業界などで利用されています。

カスタマイズ性が高く、特定の業種やニーズに特化した機能も提供しています。

APIの利用については、参照系APIが準備されています。受け付けた予約情報を他のシステムと連携するためで、詳細は開発会社に確認する必要があります。

3.SuperSaaS

柔軟な予約管理と多機能性を備えており、会議室予約や教育機関など幅広い用途に対応しています。

カスタマイズ性が高く、APIを通じた連携も特徴の一つです。

APIの利用については、SuperSaaSのデータベースに直接アクセスできるAPIを公開しています。また複数の開発言語様に参考ライブラリが準備されており、利用者は独自で開発することもできます。

4.リザエン

独自の機能を提供しており、特に日本向けの機能には需要があります。またAPI連携や顧客管理などに重点を置いています。

日本市場におけるニーズや特性に特化したサービスを提供しています。

APIの利用については、会員情報や予約情報をAPI経由で外部システムに連携が可能です。

5.SimplyBook.me

多機能な予約システムで、簡単に利用できるインターフェースを提供しています。広範な業種に対応し、柔軟な予約管理を可能にしています。

特徴としてシンプルな使いやすさと多機能性を兼ね備えており、幅広いニーズに対応しています。

APIの利用については、広範なAPIを提供しており、すべての予約データにアクセスが可能となります。ユーザーは1日24時間年中無休の予約プラットフォームを利用でき、トリガー機能を追加することができます。

まとめ　

予約システムは自社開発やサーバを立てて既存の製品で構築するよりも、Webサービスを利用するのが主流となっています。

選択ポイントは目的によって様々ですが、ポイントの一つに他のサービスや自社システムとの連携し易さがあります。データ連携にはAPIを使用するのが最適なため、APIが利用できるサービスが、コスト面や業務効率の点から相応しいと考えます。

今回紹介した予約システムならAPIでの連携は保証されているため、システム検討時に選択肢にいれても良いのではないでしょうか。