スポーツクラブにおいて業務効率化を実現するためには、予約管理を効率化できる予約システムを導入するのがひとつの方法です。
しかしながら予約システムはさまざまなベンダーからさまざまな種類のシステムやサービスがリリースされているため、運営するスポーツクラブにとって最適なものを選択するのは容易ではありません。
そこでここでは、スポーツクラブに役立つ予約システムについて、その特徴や導入メリット、さらに導入の際のポイントなどをご紹介します。
スポーツクラブ向けの予約システムはスタジオレッスンなどの予約をオンライン上へ移行することにより、自宅や職場などどこからでも顧客が予約できるようになるものです。
このため、従来は整理券などで管理していた予約サイトを構築することで非対面・非接触でおこなえるようになります。
また予約状況やレッスンの受講履歴などは顧客ごとにインストラクター別、プログラム別に表示することなども可能で、定員や残り枠の管理にも活用できます。
このほか予約システムには決済機能も搭載されているので、事前決済によって対面での現金の収受も不要になります。
スポーツクラブではこれまで電話やメールによる予約受付が一般的でした。
しかしながらあらゆる業務の効率化が求められる現在、こうした方法では人的な負担が大きく、業務効率がよいとはいえません。
そこで予約システムを導入すれば、予約受付に加え、費用決済や顧客管理などの周辺業務までカバーすることで予約管理全体を省力化・効率化を実現できます。
また、さまざまなベンダーが提供している予約システムはHTMLコーディングなどWeb開発に関する専門知識がなくても運用が可能です。
スポーツクラブ向けの予約システムには実際の予約管理を効率化するため、主に次のような機能が備えられています。
スタジオレッスンやフィットネスプログラムをカレンダーにスケジュール表示する機能です。
カレンダーは予約フォームとしても機能し、柔軟にスケジュール表示できるほか、顧客はカレンダーから希望のプログラムを選択して予約が可能です。
またクラス枠ごとのカラーリング設定やスケジュールを正確にマッピング表示することなどにより予約管理の効率を高めます。
予約フォーム作成機能により、カレンダーは豊富なデザインテンプレートからスポーツクラブのイメージに合ったものを作成できます。
このためテンプレートさえ選択変更すれば、まったく異なるデザインのフォームが作成可能です。
またコーポレートカラーを活かすなどして完全オリジナルデザインの予約フォームを作成することもできます。
予約フォームから受付けた顧客情報は顧客管理機能によって顧客リストが自動で生成され、データベース化し整理・蓄積することができます。
また顧客リストはグラフィカルな統計画面で閲覧でき、傾向分析に役立ちます。
顧客管理機能によって生成された顧客リストはメール配信機能によって顧客に対する連絡網の役割を果たし、電話などによる通知の手間を軽減できます。
またメルマガ配信やアプリへのキャンペーン情報の通知などにも活用できます。
顧客リストは会員専用ページ作成機能により、Webメンバーシステムの提供にも役立ちます。
会員専用ページ作成することでメンバー限定設定に対応することができ、メンバーのみがアクセス可能な予約フォームとオープンで誰でも閲覧・予約可能な予約フォームを使いわけることも可能です。
これにより、体験・見学用プログラムの予約受付はオープンな予約フォームでおこない、メンバー向けの通常レッスンはメンバーがログインすることによって予約するといった予約受付の使いわけができます。
キャンセル待ち機能ではプログラムが満席になった時点で自動的にキャンセル待ち受付が開始されます。
またキャンセル発生時にも自動的に待ち順位の上位順でキャンセル待ちが繰り上げられます。
待ち順位が繰り上がった顧客に対しては通知メールが送信されるので人気のプログラムでも顧客ごとにきめ細やかなケアが可能です。
設定を進めれば予約フォームはスマホ・パソコン双方に自動的に対応し、セットアップされます。これにより顧客は外出先からでも簡単に予約が可能になります。
また管理者や利用者がデバイスの違いを意識する必要もありません。
クレジットカードのほか電子マネーなどが利用することで事前決済が可能な機能です。
事前決済は決済業務の効率化はだけでなく、前払いとなるため予約キャンセルの抑止にも役立ちます。
上記のような予約システムに搭載されたさまざまな機能を有効に活用できれば、スポーツクラブの運営において多くのメリットが期待できます。
スポーツクラブで予約システムを導入する最大のメリットは目的でもある予約管理が効率化できることです。
顧客からの予約は24時間受け付けることができ、無駄のない効率的な予約管理が実現します。
また手作業おこなっていた予約管理を予約システムに置き換えれば生産性・正確性の向上にもつながります。
スタッフは予約関連の事務作業から解放され、スポーツクラブの本来業務に注力できることからサービスの質も向上し顧客からの評価の向上も期待できます。
予約システムに搭載されている顧客管理機能は顧客情報を一元管理することで顧客情報の分析が可能です。
これにより運営するスポーツクラブの強み・弱みをデータで確認できるため、課題の克服に役立てることができます。
さらに顧客情報の分析をもとにメール配信機能によってメルマガ配信やアプリへのキャンペーン情報の通知をおこなえば効率のよいマーケティング活動が実現します。
決済機能によってクレジットカードや電子マネーで事前決済が可能になれば、レッスン料などをインターネット上で自動徴収できるだけでなく、入金遅延対応の労力も軽減できます。
また予約システムは予約管理と予約売上管理を連動させられるので、スタッフ別やコース別の売上、予約経路の集計などからさまざまな分析も可能です。
多くのメリットが期待できる予約システムですが、適切に導入できなければその効果を最大限発揮することはできません。
そこで予約システム導入する際には、スポーツクラブでの運用に適しているか十分に検討されているかも重要です。
予約システムの導入においてもっとも重要なのはスポーツクラブ特性に合わせた機能が搭載されているかという点です。
当然のことながら予約管理や決済関連の機能必須です。
しかし今後の「新しい生活様式」が定着することなどを考慮した場合には、スポーツクラブとしてリモートレッスンに欠かせない、ビデオ会議システムなどとの連携も視野に入れておくといった必要もあるでしょう。
どんなに多機能な予約システムでも使いこなすのが難しければ運用にストレスを感じることが否めません。
またスタッフが簡単に使いこなせないシステムでは顧客の利便性も向上することはないでしょう。
そもそも導入が難しいシステムは運用も複雑というケースが往々にしてみられます。
このため予約システムの導入の際にはIT関連のツールに苦手意識のあるスタッフでも操作に戸惑わないかイメージしてみることなども大切です。
予約システムの導入実績はそのシステムに対する評価と直結しています。
つまり導入実績が多ければ、それだけ多くのスポーツクラブが導入を決断したということであり、実績が多ければシステム運営側にも経験やスキルの蓄積があると考えることができます。
そこで多くの予約システムでは公式サイトに導入実績を公開していることから、他のスポーツクラブやニーズが近い組織がどれくらい導入しているかを確認しておくとよいでしょう。
ここまでのようなスポーツクラブの専門領域のニーズや課題をとらえた予約システムは実は比較的多くみられます。そこで、多くの予約システムの中でも特におすすめのシステムをいくつかご紹介します。
Jicoo(ジクー)は予約や日程調整を自動化する無料の予約管理システムです。
カレンダーツールを含め様々なアプリと連携をすることが可能となっているためシームレスな予約体験が可能となっています。
また、予約ページのデザインカスタマイズ、セミナー型の予約、複数人の日程調整、担当者自動割当、カレンダーの週表示などの機能を利用できます。
日程調整ツールがベースとなっているため、シンプルで簡単な予約システムとしてすぐに利用することが可能となっています。
Hacomonoは規模の大きなスポーツクラブで多くの導入実績がある予約システムです。
クラウド型の予約システムで高いセキュリティと万全のサポートが特徴です。このため、スタッフや顧客数が多く予約管理や顧客管理に課題のあるスポーツクラブに適した予約システムといえます。
tol(トル)はスマートフォンやタブレットでも使いやすい予約システムです。
また、他の予約システムであれば有料で提供される顧客台帳機能や予約リマインドメール機能などを無料で利用することができ、予約件数の制限もありません。
このため、これまで資金面や費用面で導入が困難だったスポーツクラブにも導入しやすい予約システムといえます。
SuperSaaSはパーソナルトレーニングレッスンの予約管理で全世界19万社以上に導入されており、スポーツクラブやジムでもパーソナルトレーニングの予約に活用されている予約システムです。
このためインバウンド客にアプローチしたいスポーツクラブには特におすすめです。またGoogleカレンダーと連携した予約スケジュール管理も可能なのでスタッフごとの予約管理にも利用することができます。
予約システムを導入することはスポーツクラブの予約管理を効率化できるだけでなく、マーケティングや新規顧客の獲得にも役立ちます。
ただし導入の際には機能や操作性を確認し、運営しているスポーツクラブに適しているかを十分な検討が必要で、これにより、より効率的な予約管理と、さらには業務全体の効率化が実現します。
そこで実際の導入にあたっては、予約システムに用意された無料プランやトライアル期間なども活用し、導入を検討するとよいでしょう。
予約システムを導入すると収益、業務効率化に多くのメリットがあります。どの予約システムが良いか選択にお困りの方は、普段使っているGoogleカレンダーやOutlookなどのカレンダーサービスをベースにした予約システムの導入がおすすめです。