スマホやタブレットなどを使って情報を得たり、SNSなどを通じて他者とコミュニケーションをとったりすることが当たり前となっている現代社会において、学校現場においても、デジタル技術の効果的な活用が求められています。
そんな中、GIGAスクール構想による学校へのデジタル機器の普及が進められていますが、どのようなデジタル教材を使えば良いか悩んでいる学校や教員も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタル教材とはどのようなものか、そのメリットや具体的な活用事例とともに解説していきます。
デジタル教材とは、オンラインや内蔵された資料にアクセスし、必要な情報を検索する調べ学習に活用されたり、動画や音声等を使って学習内容の理解をより深められる教材です。
インターネットと組み合わせることができるため、教員や子どもたちの発想により、多角的な教育や学習を想像することも可能です。
一人一台の端末の整備が進んでいる現在においては、デジタル教材の活用は必須と言ってよいでしょう。
政府は、GIGAスクール構想を推進する中で、一人一台端末をはじめとする教育DXを進めてきました。これにより、デジタル教材の効果的な活用が教育現場において非常に需要になってきています。
従来のアナログな学習よりも児童生徒の学習意欲を高められる可能性を秘めているとともに、支援が必要な児童生徒にも学びやすいデジタル教材は、多くの学校で取り入れられています。
令和6年度からすべての小中学校を対象にデジタル教科書を提供することとしており、本格的な教育のデジタル化が進められています。ここで、「デジタル教科書」と「デジタル教材」の違について疑問を持つ方もいるかと思います。この2つの違いは以下のとおりです。
学習者用デジタル教科書とは、紙の教科書の内容の全部(電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。)をそのまま記録した電磁的記録である教材です(学校教育法第34条第2項及び学校教育法施行規則第56条の5)。
このため,動画・音声(紙の教科書の内容の音声読み上げ機能は除く。)やアニメーション等のコンテンツは,学習者用デジタル教科書に該当せず,これまでの学習者用デジタル教材と同様に,学校教育法第34条第4項に規定する教材(補助教材)ですが,学習者用デジタル教科書とその他の学習者用デジタル教材を組み合わせて活用し,児童生徒の学習の充実を図ることも想定されます。
タブレットやパソコンなどのデジタル機器で利用・作成する教材のことで、デジタル教科書と組み合わせて活用することで、児童生徒の学習の充実を図るものです。動画や音声を手軽に利用できるとともに、インターネットにもアクセスが可能となるため、従来の紙媒体では考えつかないような学習方法が生み出されることも想定されます。
【参考】
3.学習者用デジタル教科書について:文部科学省 (mext.go.jp)
教科書の副教材に位置づけられるデジタル教材ですが、児童生徒の充実した学習には欠かせません。デジタル教材には様々な種類がありますが、その一部をご紹介します。
学習状況をAIが分析して、一人ひとりに最適化された問題が出題されます。個別最適化された学習をサポートしてくれるので、苦手な問題でつまずきにくく、児童生徒の基礎学力定着を図ることができます。
また、教員は児童生徒の学習状況を把握することができ、個別指導にも役立てることができます。さらに、宿題やテストの採点業務の負担も軽減することができます。
TOP – Qubena(キュビナ)/株式会社COMPASS – 学習eポータル+AI型教材
主には学習塾等で活用されている「すらら」ですが、最近は学校での導入も増えてきています。演習問題や動画での学習により、一人ひとりのペースに合わせた学習ができます。また、学習コーチのサポートがついており、先取学習やさかのぼり学習もスムーズに行えます。
オンライン・タブレット教材は家庭学習のすらら (surala.jp)
上記以外にも、様々なデジタル教材があるので、ぜひ参考にしてみてください。
教材のデジタル化によるメリットについて解説します。
デジタル教材では、動画や音声により視覚や聴覚を使った効果的な学習を進めることができます。
これにより、従来の紙媒体では、児童生徒の興味関心を引くためには教員の工夫や経験によるところが大きかったのですが、デジタル教材の導入によって興味関心を刺激することが容易になりました。
学習内容の理解度や進捗状況をデジタル教材が記録、分析してくれるので、個別最適化された学習ができるようになりました。
また、個別の習熟度を考慮しにくい従来の一斉学習では難しかった指導が可能となるため、一人ひとりの能力を最大限に伸ばすことが可能となります。
ペーパーレス化により、授業はタブレット1台で完結するため、荷物の軽量化が図られます。
特に小学校低学年の児童にとって、10㎏近いランドセルを背負っての通学は負担が大きいので、荷物の軽量化は教材のデジタル化の大きなメリットと言えます。
児童生徒の学習状況を把握し問題や参考資料を作成してくれることや、テストや宿題の採点をデジタルで行ってくれるため、教材のデジタル化による教員の負担軽減が期待できます。
デジタル教材は、児童生徒の学年や学習の場面によって活用方法も様々です。ここでは、デジタル教材の活用方法の一例をご紹介します。
理科の実験では、実験の手順を動画で分かりやすく確認することで、安全に実験を進めることへの理解が深まります。
また、実験結果を整理し共有できるツールを活用することで、教室内にあるものだけではなく、屋外で実験したサンプルも取り入れて比較・検討することができます。比較・分類したシートはタブレット端末に保存されるため、児童がどのように考え、結論を導きだしたのかを見ることも可能です。
一斉学習の中で、生徒一人ひとりが習熟度に応じて、デジタル教材で学習内容を振り返るとともに、個別最適化されたドリル学習等を活用することで、一斉学習に習熟度別学習の要素を取り入れることができます。
また、アニメーションを活用することで、抽象的な数学的概念を直感的に理解することが可能となります。
出題された設問に対して、デジタル教科書やインターネット等、生徒が使用できるメディアや情報源を制限せず考察させることで、生徒の自発的な探究活動を促すことができます。
また、プレゼンテーションの際に、パワーポイントやピクチャーカードなどのプレゼンテーションツールを活用することで、模造紙に書いて発表するよりも準備にかかる負担が軽減され、発表の練習に時間を割くことができるようになります。
教育現場でのデジタル化が進む一方で、デジタル教材導入における留意点を抑えておく必要があります。そのひととつがセキュリティ対策です。
インターネットに接続する以上、個人情報の流出や機密情報の漏洩などには最新の注意を払う必要があります。ウイルス対策ソフトの導入はもちろん、メールの誤送信による情報漏洩等のリスクに備え、マニュアルの徹底や研修等により人的ミスへの対策も重要となります。
また、デジタル教材を活用するにあたって、視力の低下やインターネット依存などにも注意が必要です。学校内での端末の使用ルールや家庭での管理など、運用上の注意を、教員どうしはもちろん、保護者との共有も重要です。
デジタル教材は、デジタル教科書と組み合わせて活用することで、より効果が発揮されます。
また、デジタル教材は汎用性の高い様々な機能を有しているため、教員や児童生徒の創造性次第で、その活用の幅は非常に大きくなります。ぜひ工夫しながら最大限に活用してみてください。
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