現在多くの業種において顧客からの予約は従来の電話やFAXなどによるものから、Webサイトやアプリなどインターネット経由によるものへとその方法がシフトしています。
また、より利便性を高める手段として、各企業では予約システムの導入が進んでいますが、一方で実際に導入を検討してもその方法や費用がわからず、導入を躊躇しているケースは少なくありません。
そこで予約システムとはどんな機能が求められるのかをまず整理し、そのメリットを明らかにしたうえで、導入方法や費用、手順などをみていきましょう。
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予約システムは飲食店や宿泊施設、フィットネスジムや各種イベントなど、さまざまな業種で利用され、顧客がWebサイト上から事前予約や空席確認ができるシステムです。
これまではこうした予約管理は電話やFAX、自社のホームページ上などからおこなわれていましたが、複数の予約媒体を同時に運用すると時間や手間が増えるという問題点がありました。
そこで予約システムには複数の媒体の連携を図り、予約情報の管理をスムーズにするとともに、さらなる業務効率化のため、決済や集金も可能な機能なども備えられています。
また、予約システムの特徴として顧客管理が可能なシステムも多く、顧客側にとっても従来の予約方法と比較して利用のハードルが下がることから、結果としてサービスの向上が実現し、新規顧客の増加も期待できます。
予約管理に利用される予約システムは、さまざまな製品やサービスが登場しています。その基本的な機能は似通っていますが、それぞれ特徴に違いがあります。これは、業種や企業によって重要となる機能が異なるからです。
そこで導入の際にはまずどのような機能特化しているべきなのかを知っておかなければなりません。
予約管理機能は時間帯を問わず、正確な予約管理を実現する機能です。
予約システムのメインともいえる機能ですが、予約方法は業種やサービスの内容によって大きく異なります。
たとえば、飲食業であれば時間単位の予約、宿泊業であれば日にち単位の予約といった違いがその最たるもので、自社のサービス内容に適した予約管理機能を持っているのかは予約システムの選定において非常に重要です。
顧客管理機能は予約を受け付ける際に収集したサービスの利用日時やその内容、客単価のほか、住所や職業などといった顧客情報を分析する機能です。
サービスや接客の向上、顧客の購買意欲を高めるプロモーションの立案などには重要な機能のため、できるだけ情報を細分化して管理できる必要があります。
集客効果を高める目的で、予約システムがSNSをはじめとしたオンラインサービスと連携できることも予約システムには重要な要素です。
これは口コミなどによって未知の潜在的な顧客にアプローチすることができるようになるといった利点が生まれるからです。
また、顧客の利便性を向上させるためにはオンライン決済による事前に支払いに対応していることも求められます。さらにオンライン決済への対応は利便性だけでなく、料金の計算ミスなどのトラブル防止にも効果を発揮します。
予約システムによってサービスの利用や来店後にフォローメールやメールマガジン、クーポンの配布などが可能であれば顧客獲得とファンの育成といったマーケティングに役立ちます。
また、予約確定メールやリマインドメールの送信に対応していれば予約キャンセルの防止に繋がります。
予約システムでは顧客の個人情報や売上に関する情報も管理することから、高いセキュリティレベルが保たれていることは必須です。
そこでデータ通信の暗号化への対応や情報漏えいへの対策、Pマークや国際規格のISMSを取得しているかなども予約システムを選定するうえでは重要な要素となります。
必要とする機能が適切に備わっていれば、予約システムは予約管理にさまざまなメリットをもたらします。
予約システム導入における最大のメリットは、予約管理の自動化による業務の効率化です。
予約フォームに入力された顧客情報は自動で整理され、顧客への確認メールやリマインドメールも自動で送信することができます。これにより従来予約管理に要していた時間とコストを大幅に削減することができます。
予約システムでは予約状況をリアルタイムで確認できるため、ダブルブッキングの防止や、チーム内で予約情報の共有にも役立ちます。
また電話や予約フォームといった複数の予約方法も即時把握し、一括管理も可能です。
予約システムは予約管理をシステム化できるため、予約に関するミスを軽減できます。仮に予約管理に不慣れだったとしても、業務が定型化されるので安心です。
予約システムはWebサイト上で24時間受付が可能です。これにより営業時間内にしか対応できない電話やFAXなどと異なり、機会損失が起こるのを防げます。
顧客管理機能を持つ予約システムであれば予約内容を可視化し、顧客情報を把握することで従来は勘や感覚に頼っていたマーケティング活動をより的確なものにできます。
このため新商品の開発やキャンペーン施策、売上予測などが立てやすくなり、次の一手が打ちやすくなります。
予約システムを導入するには複数の方法が考えられます。それぞれ一長一短があるため、自社の環境に適した方法を選ぶとよいでしょう。
システムを一から開発する方法で、スクラッチ開発とも呼ばれます。自社ですべてを開発するため、あらゆる要望に応えられますが、高いスキルが求められ、開発費用も多額になる傾向があります。
独自性の高い大規模なシステムを検討するのであれば専門の開発会社へ依頼する方法もあります。
通常企画から構築、保守、運用までをワンストップで請け負う会社が多いため、自社にノウハウがなくても安定したシステムが導入できます。
ただし、仕様の再検討などが必要になるケースを想定し、アフターフォローの内容を明確にしておかなければなりません。
ASPとはApplication Service Providerのことで、クラウドでサービスを提供し、ユーザーがアクセスして利用するものです。
基本的には初期費用と月額制を支払うことによって運用でき、自社サイトへ埋め込みもできます。サービス内容が自社の要望と合致していれば短期間で安価に導入が可能な方法です。
予約システムの導入にかかる費用はその方法によって大きく異なります。
また、自社の業務フローや既存のシステムとの連携といった環境によっても異なるため、どのような方法で導入したとしても費用には幅があると考えていた方がよいでしょう。
予約システムを自社で開発する場合、その費用は特に明確ではありません。
これは保有するスキルやシステムの規模によって期間やコストが大きく異なるからです。このため、大規模なシステムでは開発費用が1,000万円単位となることもあります。
また、開発後の運営やメンテナンスも自社で行うことになるため、保守などにかかわる人件費も考慮しておく必要があります。
開発会社に構築を依頼する場合も、規模や仕様によりその費用は異なります。
目安としては150~200万円程度が一般的で、機能が限定されていれば数十万円程度からでも構築が可能です。一方大規模になると数千万円になる場合もあります。
そこで構築を依頼する場合には詳細な見積もりを複数の開発会社に依頼し、比較検討する必要があります。
ASPを利用するのであれば、通常は基本料金と段階的な料金プランが用意されています。
基本料金は5,000円から3万円程度で、中には初期費用が無料のサービスもあります。料金プランについては月額料金で一般的には5,000円から1万円台です。
またこれらの費用以外にオプション追加で料金がプラスされたり予約数に対して従量課金が発生したりするサービスもあるため、導入の際には料金システムの十分な確認が必要です。
予約システムは自社の業種やサービスに適していないとその効果を発揮できません。このため、導入前にはより自社に適したシステムを開発・選定することが大切です。
最適なシステムを開発・選定するためには、まず必要な機能を見極めることが重要です。
予約システムの場合機能が多ければ高機能というわけではなく、必要のない機能を多く搭載しているとかえって無駄なコストが発生してしまうことになります。
予約システムはそのUIの質によってコンバージョン率も変わってきます。
このためUIはできるだけシンプルで、かつ訪問者がコンバージョンしやすい導線であることが重要です。そのうえで導入後にカスタマイズし必要な機能を追加していくと運用がよりスムーズになります。
予約システムに搭載される顧客管理機能はあくまでも業務効率化と、それに伴う売上げの向上をもたらすものであり、直接的な集客効果は望めません。
そこでより高い集客効果を求めるのであれば別途集客システムの導入などを検討する必要があります。
予約システムの検討の際には、次のような手順で導入を進めるとよりスムーズに運用が開始できます。
まず、自社開発や構築を依頼するのであれば機能の選定、ASPを利用するのであれば搭載される機能を確認してシステムを選定します。
自社開発の場合、機能を選定したのちシステムの構築に取り掛かりますが、構築を依頼したりASPを利用する場合には開発会社の持っているノウハウや、提供されるサービスによって自社の求める予約管理が実現可能か情報収集をおこないます。
実際の導入の際には、開発あるいは納品された予約システムの微調整とチェックをおこない運用を開始します。
また予約システムの運用を開始したことを顧客に周知することも大切です。
予約システムは予約管理を中心としてそれに付随したさまざまな機能を持ちます。また導入方法によって費用や運用方法も異なってきます。
しかしながら自社に適した利便性の高いシステムを導入できれば、業務効率化はもとより、顧客の利便性や満足度の向上も期待できます。
このため予約システムの導入にあたっては必要な機能の見極めと事前に運用時のイメージが明確になっていることが大切です。
予約システムを導入すると収益、業務効率化に多くのメリットがあります。どの予約システムが良いか選択にお困りの方は、普段使っているGoogleカレンダーやOutlookなどのカレンダーサービスをベースにした予約システムの導入がおすすめです。