ガントチャートツール選びで迷っている方は、まずNotionのタイムラインビューを試してみてください。
Notionは、ドキュメント、タスク、プロジェクト、ナレッジベース、カレンダー、会議メモなどを1つのワークスペースで扱えるオールインワン型のツールです。単にガントチャートを作るだけでなく、WBS、タスクボード、議事録、仕様書、関連資料、意思決定の履歴までまとめて管理できるため、プロジェクトの「ここを見れば分かる」場所を作りやすい点が特徴です。
海外では、ガントチャートやチケットデータベースを可視化するだけでなく、AIエージェントに遅延や停滞を検知させる運用も進んでいます。Rakuten Franceでは、複数のカスタムエージェントが開発チケットを毎晩確認し、レビュー滞留や遅延したリリースを検出して、翌朝にチーム別のレポートをSlackへ投稿しています。国内でも、情報を信頼できる唯一の情報源(SSOT)として集約し、プロジェクト運営に活用する動きが広がっています。
製造業の事例では、Notion Labs Japanは2026年7月8日、スター精密がNotionとNotion AIを国内約550名へ展開したと発表しました。全社展開は2026年春から段階的に進められ、月次アクティブユーザー率は約90%、AI機能の利用量は従来のチャット型AIツール比で約4倍に達しています。社内ポータル、プロジェクト管理、議事録、業務ナレッジを同じ環境に集約し、AIを独立したチャット画面ではなく日常業務の中へ組み込んだ事例です。
データ保管場所に要件がある企業向けには、日本向けデータレジデンシーがEnterpriseプランで提供されています。既存ワークスペースを日本リージョンへ移行するには、Notionのアカウントチームへの依頼と移行確認が必要です。確認を受けていないワークスペースは米国でホストされます。日本では東京がメイン、大阪がバックアップリージョンです。ただし、Notion Calendar、Notion Mail、ベータサービス、アカウント情報、利用状況データ、サブプロセッサーが処理するデータなどは対象外となるため、規制や社内ポリシーがある場合は利用機能ごとの保存先を確認しましょう。
本記事では、初心者向けにNotionでガントチャートを作る方法と、プロジェクト管理を効率化する便利ワザを紹介します。

Notionのガントチャートは、タスク一覧のテーブルと、日付軸にタスク期間を表示するタイムラインで構成されています。テーブルでは、タスク名、担当者、ステータス、期日、優先度などを管理できます。
テーブル側の情報を変更すればタイムラインにも反映され、タイムライン上で期間を動かせばテーブルの日付も更新されます。WBSとしてタスクを洗い出してから、そのままスケジュールへ落とし込めるため、管理表が分散しにくくなります。

ガントチャートの日付変更やタスクの並べ替えは、ドラッグ&ドロップで操作できます。タスク期間を伸ばす場合はバーの端を動かし、開始日ごと変更する場合はバー全体をドラッグします。Excelのセルを塗り替える管理に比べ、スケジュール変更を反映しやすいでしょう。

同じタスクデータベースに対して、タイムラインビュー、ボードビュー、テーブルビューなどを追加できます。ガントチャートは計画作成や日程確認、ボードは未着手・進行中・完了といった進捗確認に向いています。
また、担当者別、部署別、プロジェクト別、今週のタスクだけを表示するビューを作ることも可能です。ビューを分けても元データは同じなので、どこか1つで更新した内容が他の表示にも反映されます。

通常のNotionアプリでは、iOS・Androidからページやデータベースの閲覧、編集、コメントができます。外出先、店舗、現場、テレワーク中でも、タスクの状況確認や更新をしやすい点がメリットです。
一方、「Notion Agents」アプリは通常のNotionモバイルアプリとは別の、AI操作に特化したアプリです。ページ編集、音声入力、ファイル添付、カスタムエージェントなどに対応しますが、現時点ではiOS 26以降のiPhone向けで、iPadとAndroidには対応していません。
通常のモバイル版Notionでもコンテンツの閲覧・編集はできますが、複数ブロックの一括選択、データのインポート、セキュリティ設定など、一部の操作にはデスクトップ版が必要です。ガントチャートをスマホだけで構築・管理するのではなく、PCで設計し、モバイルでは日常的な確認・更新を行う使い分けが現実的です。
Notionのタスクページには、Figmaデザイン、Googleドキュメント、スプレッドシート、Miroボード、Box上の資料などを埋め込んだり、関連付けたりできます。ガントチャート上のタスクを開けば、作業内容、担当者、期日、議事録、仕様書、デザインファイル、参考資料をまとめて確認できます。
Notion Calendarと連携すれば、データベースの日付をカレンダー上から変更できます。対応プランでは、Notionのエージェントから会議予定の確認、変更、招待送信、空き時間検索なども可能です。
タイムラインで管理する「作業期間」と、カレンダーで管理する「会議・レビュー日時」は性質が異なります。作業期間、期限、会議日を別々の日付プロパティで管理し、タイムラインでは目的に応じて表示する日付を切り替えると混乱を防げます。
タイムラインビューは無料プランでも作成できます。ワークスペースオーナーが1人の場合、ブロック数は無制限です。一方、2人以上のオーナーが参加する無料ワークスペースでは、累計1,000ブロックまでの制限があります。削除したブロックも累計数からは減らないため、少人数で試す場合はメンバーとゲストの違いも確認しましょう。AI、ページ履歴、管理・セキュリティ機能にはプランごとの差があります。
ここからは、Notionでガントチャートを作成する基本手順を解説します。画面表示はアップデートにより変わる場合がありますが、基本的な考え方は同じです。

ガントチャートを作成したいページを開き、空のページで「/」を入力してブロックメニューを表示します。[タイムラインビュー]を選択してください。
既存のデータベースを使うか、[+新規データベース]からガントチャート用のデータベースを作成します。作成後は、データベース名をプロジェクト名や用途が分かる名前に変更しておくと、後から探しやすくなります。

タイムラインビューでは、左側のテーブルが折りたたまれている場合があります。タスク名や担当者、ステータスを編集しやすくするため、タイムライン左上の展開ボタンをクリックしてテーブルを表示しましょう。
タイムライン左側のテーブルに表示する項目は、データベース設定の[Layout]から[Table properties]で調整できます。タイムライン上のカードに表示する項目は[Property visibility]で設定します。
新規でガントチャートを作成すると、デモデータが入っていることがあります。不要なデータは削除し、自分のプロジェクトに必要な作業を入力していきましょう。

タスクの順番や期間は後から変更できるため、まずは必要な作業を洗い出します。会議の議事録や既存のWBSがある場合は、Notion AIでアクションアイテムを整理してからタスク化すると、抜け漏れを減らしやすくなります。
行を追加する場合は、データベース下部または右上の[+新規]をクリックします。担当者、進捗状況、優先度などを追加したい場合は、新しいプロパティを作成してください。
ステータスプロパティを使うと、未着手、進行中、完了などの進捗を色付きラベルで管理できます。列名を「進捗」などに変更し、プロジェクトに合わせて選択肢を追加しましょう。
進捗の分類は増やしすぎないことがポイントです。まずは「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」など、チームで判断基準を共有しやすい項目から始めると運用しやすくなります。
タスクの日付は、テーブルの日付プロパティに入力する方法と、タイムライン上でドラッグ&ドロップして設定する方法があります。

テーブルで日付セルをクリックし、開始日を入力します。終了日も管理する場合は終了日を有効にして設定してください。タイムライン上では、バー全体をドラッグすると開始日を動かせ、バーの端をドラッグすると期間を変更できます。
タスク同士を矢印でつなぐと、依存関係を設定できます。例えば「要件定義が終わらないとデザインに着手できない」「デザイン完了後に実装を開始する」といった前後関係を可視化できます。

依存関係は、データベース設定の[その他の設定]→[依存関係]から設定します。先行タスクの日程変更に合わせて後続タスクの日付を調整する場合は、[日付が重なる場合のみシフト][アイテム間の期間を維持してシフト][自動的シフトしない]から選択できます。移動後の日程が週末にかからないようにする設定も可能です。
日程変更が複数チームに影響する場合は、意図しない一括変更を防ぐため、最初は[自動的シフトしない]または[日付が重なる場合のみシフト]から試すとよいでしょう。
日付、タスク名、担当者、ステータス、優先度などのプロパティを使って、タイムラインを並べ替えたり絞り込んだりできます。「自分が担当する未完了タスク」「今月中に期限があるタスク」といったビューを作っておくと、会議前の確認や日次の進捗チェックがスムーズです。
担当者別、プロジェクト別、チーム別、優先度別にグループ化すれば、誰にタスクが集中しているか、どのプロジェクトが詰まっているかも把握しやすくなります。目的別にビューを作っても、元データは一つなので二重入力は必要ありません。
さらに、期限超過だけを見るのではなく、「レビュー待ちが3営業日を超えた」「終了日が近いのに未着手」「先行タスクが未完了なのに後続タスクが進行中」「担当者が空欄」「7日以上更新されていない」といった条件でリスク確認用ビューを作ると、遅延の兆候を早めに見つけられます。
短期プロジェクトで細かく日程を確認したい場合や、長期プロジェクトを俯瞰したい場合は、タイムラインの表示単位を切り替えましょう。時刻、日、週、隔週、月、四半期、年などから、プロジェクトの粒度に合う表示を選べます。
例えば、日々の制作・開発の調整には週表示、四半期単位の施策確認には月または四半期表示というように使い分けると見やすくなります。
タイムラインで日程を確認しているタスクを、ボードビューで進捗管理することもできます。ビュー追加メニューから[ボード]を選び、[グループ化]を進捗プロパティに設定しましょう。
ボード上でタスクを「未着手」から「進行中」「完了」へ移動すると、タイムライン側のステータスも同時に変更されます。日程はタイムライン、進捗はボードというように役割を分けると、実務で扱いやすくなります。
Notionのサブアイテム機能を使うと、親タスク・子タスクの階層構造を作成できます。大きな工程を親タスクにし、その下に具体的な作業を子タスクとして追加すれば、WBSに近い形でプロジェクトを管理できます。
タイムライン上でも階層を折りたたんで表示できるため、大規模なプロジェクトでも見通しを保ちやすくなります。親タスクには工程の目的や完了条件、子タスクには実作業と担当者を記載するなど、情報の粒度を分けるのがおすすめです。
Notion AIとカスタムエージェントを利用しているチームでは、会議後のプロジェクト更新も自動化できます。2026年7月31日から、AIミーティングノートの要約完了をきっかけにカスタムエージェントを実行できるようになりました。設定時は、カスタムエージェントのトリガーに[Meeting note summarized]を追加し、対象となる会議を指定します。公開時点ではデスクトップとWebに対応しています。
会議要約から決定事項をプロジェクトページへ追記したり、新規タスク候補を作成したり、Slackやメールへ要約を投稿したりすることが可能です。会議メモの保存先となるデフォルトデータベースとプロジェクトデータベースをリレーションでつなげれば、タスクから判断の経緯を確認しやすくなります。
ただし、AI Meeting Notesはベータ機能であり、日本語の文字起こし・要約には対応する一方、話者ラベルは英語のみです。複数人が参加する日本語会議では、担当者や発言者を誤って判定する可能性があります。録音・文字起こしの前には参加者の同意を得たうえで、期限や担当者をガントチャートへ直接書き込むのではなく、まず「更新候補」ステータスで登録し、人が確認してから確定する運用が安全です。
会議要約の保存は自動化し、決定事項の追記は変更履歴を残す、新規タスクは更新候補として作成する、期限変更は担当者承認後に反映する、といったように更新内容ごとにルールを分けましょう。担当者変更や依存関係の変更は、原則としてPMまたはデータベース管理者が確認することをおすすめします。
プロジェクト管理では、タスクだけでなく「なぜそのタスクが生まれたのか」「誰がいつ決めたのか」も重要です。Notionでは、会議メモ、議事録、決定事項、アクションアイテムを同じページや関連データベースでつなげられます。
タスクページから関連する議事録へ戻れるようにしておけば、後から経緯を確認しやすくなります。ガントチャートの各タスクに、判断根拠、過去の類似案件、担当者からの回答を関連付ける運用も有効です。
カスタムエージェントに仕様書やプロジェクトデータベースを参照させる場合は、ページやデータベースの[共有]メニューから直接コンテキストを追加できます。ただし、参照資料の共有と、タスクデータベースの書き込み許可は分けて設定しましょう。人事、法務、顧客情報を含むページを一括共有せず、仕様書は閲覧のみ、ガントチャートデータベースは必要な範囲だけ書き込み可にするなど、最小権限で運用することが重要です。
Notionでは、Figma、GitHub、Miro、Boxなどの情報をプロジェクトページに集約できます。さらにNotion Workersを使うと、Jiraの完了チケット、Salesforceの商談ステージ、GitHubのプルリクエスト、ZendeskのSLAリスクなどをNotionへ同期する仕組みも構築できます。
Notion Workersは2026年8月11日からNotionクレジットの消費対象になりました。定期同期は同期のたびに、カスタムエージェントからのツール呼び出しやWebhookはイベントごとに実行としてカウントされます。「1時間ごとに全件同期する」設計では、対象レコードが少なくても実行回数が増える可能性があるため注意が必要です。
まずはプロジェクトや更新項目を限定し、更新日時やステータスで同期対象を絞り込みましょう。定期同期よりWebhookが常に合理的とは限らないため、イベント発生数も事前に見積もることが大切です。検証環境と本番環境のWorkerを分け、自動化ごとに削減できた時間とクレジット消費を記録すると、継続の判断をしやすくなります。
Workers、Connections、Personal Access Tokenは、[設定]→[Developer]でまとめて管理できます。開発者機能を有効にすると、デプロイ済みWorker、実行ログ、接続情報を確認しやすくなります。個人のトークンに依存せず、所有者、用途、更新日、停止手順を台帳化しておきましょう。
Notionを全社利用する場合は、便利さだけでなく権限管理とガバナンスも重要です。部署横断で共有するページ、役員や管理部門だけが見られるページ、外部パートナーに限定公開するページなどを分けて設計しましょう。
カスタムエージェントは、実行者本人の権限をそのまま引き継ぐ仕組みではなく、個別のアクセス権限を持ちます。エージェント用に参照専用のプロジェクト資料をまとめ、更新対象のガントチャートデータベースだけに必要な書き込み権限を与えると、意図しない情報参照や更新を防ぎやすくなります。エージェントによる変更を追跡するために、更新者種別や更新候補などのプロパティを設ける方法も有効です。
また、1つの万能エージェントに処理を集約するより、会議メモから候補を抽出するエージェント、新規・既存タスクを判定するエージェント、日程リスクを確認するエージェント、更新停滞を通知するエージェントのように役割を分けると、失敗箇所とクレジット消費を特定しやすくなります。Remoteの事例でも、受付、トリアージ、フォローアップを役割別のエージェントに分け、外部システムとの連携には読み取り専用Workerを利用しています。
定型的な転記・分類・要約には速度とコストを重視したモデル、複数プロジェクトの遅延要因や依存関係を分析する処理には高精度モデルというように、用途別にモデルを使い分けることも重要です。モデル変更前後で誤更新率、実行時間、クレジット消費を記録し、重要な期限・担当者更新はモデルの種類にかかわらず承認制にしましょう。
長いタイムラインや多数のプロパティを扱う場合は、デスクトップ版・Web版のハイコントラストモードも役立ちます。[Settings]から[Preferences]、[Appearance]を開くと設定できます。
また、導入効果を測る際は、作成したページ数だけを見るのではなく、月次アクティブ率、タスクや議事録の更新率、レビュー滞留件数、問い合わせ削減数などで確認するのがおすすめです。ガントチャート本体を自動で大量更新するよりも、リスクを検知して記録し、報告・承認後に反映する4段階の運用にすると、誤更新を抑えられます。
まずは情報システム部門や1つのプロジェクトで小規模に試し、テンプレートや成功事例を共有しながら対象を広げると定着しやすくなります。
Notionでガントチャートを作成する方法を解説しました。
Notionの強みは、ガントチャートだけでなく、タスク一覧、ボードビュー、議事録、関連資料、ナレッジ、AIによる要約や自動化を同じ場所で扱えることです。テーブルにタスクを書き出し、タイムラインビューでスケジュールを組み、ボードビューで進捗を確認する流れを、1つのデータベースで実現できます。
依存関係を設定すれば、先行タスクの変更に応じて後続タスクの日程を調整でき、週末を避ける設定も可能です。通常のNotionモバイルアプリを使えば、外出先や現場からでもタスクを確認・更新できます。会議後の更新を減らしたいチームは、AIミーティングノートとカスタムエージェントで更新候補を作成し、人が承認して反映する運用を検討するとよいでしょう。
タイムラインビューは無料プランでも作成できます。まずは小さなプロジェクトから始め、議事録や関連資料も同じワークスペースに集約しながら、計画立案から日々の進捗管理までを効率化してみてください。
セールスや採用などのミーティングに関する業務を効率化し生産性を高める日程調整ツール。どの日程調整ツールが良いか選択にお困りの方は、まず無料で使い始めることができサービス連携や、必要に応じたデザインや通知のカスタマイズなどの機能が十分に備わっている日程調整ツールの導入がおすすめです。


